3時間の眠りでも大丈夫という「濃縮睡眠」――質向上のための生活術
トランプ大統領、孫正義も短時間睡眠
実は、私も以前は睡眠時間が長いほうでしたが、姿勢矯正サロンを一人で運営していたころ、睡眠時間を削って仕事をしていたら体調を崩してしまいました。
そんなとき、知人が短時間の睡眠で問題なく仕事をこなしていると知り、私も睡眠を改善することにしたのです。ある程度の時間はちゃんと寝なければいけない、という固定観念を外していき、自分自身の体験も参考にしながら睡眠の研究を行いました。
その結果、2カ月ほどで、1日の睡眠時間が3、4時間で済むようになったのです。そのうえ体調もよくなって、日中に頭がボーッとすることもなくなりました。こうして、いまは以前と同じ時間を仕事に費やしながら、自由な時間を持てるようになっています。午前2時ごろ就寝し、4時半から5時半ごろに起床する毎日で、夜仕事が終わってから映画を1、2本観たり、朝に資料づくりや企画などの仕事もこなせるようになったので、日中は接客や施術に専念できています。
睡眠の質は寝ているときの脳波によって定義できます。人が起きているときはベータ波、リラックスしているときはアルファ波、うとうとした眠りにつくとシータ波、そして、さらに深い睡眠に入るとデルタ波が出ます。入眠後、30分ほどでデルタ波が出るレベルまで深く眠ることができれば、質が高い睡眠だといえます。私のサロンでは、睡眠アプリで毎日の睡眠を計測しています。ちなみに、私は入眠後、8分から10分ほどで深い睡眠に入ることができています。
睡眠の質が高い人は、起きたときにすっきりしていて、日中も眠くなりません。一方、深い睡眠になかなか入れず、浅い睡眠のまま長時間眠ってしまうと、朝になっても疲れがとれずに起きるのがつらかったり、日中もすっきりせず、眠気が出たりします。
しかし、「長く眠らないといけない」という固定観念に縛られている方が多いのが現実です。すると、睡眠時間が短いことに不安が残ってしまうので、意識改革が必要です。
まず、世界の成功者の多くは、睡眠時間が短いということを知っておくといいでしょう。たとえば、アメリカのドナルド・トランプ大統領やソフトバンクグループ会長兼社長の孫正義氏、お笑い芸人の明石家さんまさんらの睡眠時間は3、4時間。それでパフォーマンスが下がることはないといわれています。
「質」向上のための生活術
睡眠の「質」を向上させるためにはどうすればよいのでしょうか。最初に、生活のリズムを整える必要があります。
人間は体内時計に沿って生活する生き物なので、起床時間や就寝時間がバラバラだと自律神経に乱れが生じ、日中のだるさや眠さにつながります。これは時差ボケが起きるのと同じメカニズムです。また、人間の体内時計は、朝日を浴びることで朝起きたことを認識し、その時間に合わせて眠くなる時間も決まります。ですから毎朝同じ時間に起床し、朝日をしっかりと浴びることが大切なのです。
また、ベッドを「寝るための場所」だと、からだに覚えさせることも大事です。ベッドを普段からソファ代わりにしていると、いざベッドに横になっても、からだが眠るという意識になりづらいのです。寝る前のルーティンを決めておくことも有効で、パジャマを着て、水を飲んで、ストレッチをしてから眠る、と決めて毎日実行すると、反射的に眠くなるようになります。
同様に起床時のルーティンを決めておくのも効果的で、起きたら歯を磨き、水を飲み、カーテンを開けて日光を入れると決めて習慣化すれば、脳をすぐに覚醒できるようになります。早起きするためには、事前に朝の予定を入れてしまうのもいいでしょう。朝、楽しいことをするとセロトニンが分泌され、覚醒状態になることがわかっています。
日中に眠くならない方法のひとつとして、積極的に仮眠をとるのも効果的です。ただし、眠くなってから仮眠をとると寝すぎてしまうので、眠くなる前に15分から20分程度の「パワーナップ」と呼ばれる短い仮眠を、積極的にとるようにするといいでしょう。
私のお勧めは「コーヒー仮眠」。コーヒーを飲んだらすぐに寝て、カフェインが効きだす20~30分後に起きるのです。
(下)へつづく
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