闇に葬られた「新生児取り違え事件」 厚労省をダシにした「順天堂大学」隠ぺいの証拠
〈お知らせ〉と同時に恫喝
むろん、小林さんは少しも納得していない。ところが、順天堂は4月6日、ホームページに発表した〈お知らせ〉に、被害者にはすでに〈お詫びをし、解決に向けて、弁護士等の意見を踏まえ話し合いを行ない、ご了解して頂くことに至りました〉と、独りよがりの結論を記載。もう片方の相手については〈現在の平穏な生活を乱し、取り返しのつかないことになるのではないかと考え、お知らせしないことといたしました〉と、どんな権利があってか、放置を宣言したのである。
〈天の理法に逆らう〉とはこのことだが、順天堂は45年前にも、〈天〉を愚弄していた。小林さんが自分たち夫婦から生まれえない血液型だと知り、「取り違え」の可能性を訴えた母親を、冷たく追い返していたのだ。
結果、小林さんは「不倫の子」だと疑われて両親は離婚。継父に虐げられ、何度も自殺を考え、高校にも行かせてもらえず、母親も心を病んだ。ところが、そもそも取り違えたことについても、そのために不幸を招いたことに対しても、順天堂は小林さんに頭すら下げなかったという。
もはや〈天の理法〉など屁でもないのだろう。その証拠に、順天堂は〈お知らせ〉では低姿勢を装いつつも、同時に弁護士から小林さんに宛てて、〈貴殿らに守秘義務違反があった場合には、しかるべき対応を取る所存です〉と、恫喝する文書まで送っていたのだ。
だが、順天堂が実は「逆天堂」であったという証拠は、それに止まらない。小林さんが1年にわたって順天堂側と交渉した記録を精査すると、底の浅いウソで糊塗した悪質な隠ぺいのあとが明らかになった。
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