内閣支持率が30%を切っても安倍政権が安泰な理由――「青木の法則」が証明

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青木の法則が導く「有権者の本音」

 今年3月から4月にかけて行われたマスコミ各社の最新世論調査から計算した。比較のため、第1次安倍政権(2006年9月26日~2007年8月27日)における07年5月から6月のアオキレシオも並べた。

 07年の5月から6月といえば、前年06年から「事務所費用問題」がクローズアップされ、「消えた年金問題」などと合わせ、政権には厳しい逆風が吹いていた時期だ。特に5月28日には、この問題を巡って松岡利勝・農水相(享年62)が自殺してしまう。

 結論から言えば、07年7月の参院選で自民党は過半数割れの惨敗を喫し、9月に安倍晋三首相は辞任を表明してしまうのだが、それでは表をご覧いただこう。

 違いは驚くほど一目瞭然だ。2つの表で内閣支持率は共に「危険水域」に達している。だが対照的なのは、自民党の支持率だ。現在の世論調査では、ほぼ3割をキープしている。ところが07年では、10%台にまで落ちこんだマスコミが2社もある。

「アオキレシオの数値に差を生んでいるのが、野党に対する有権者の期待や評価ですね。07年6月当時、まだ政権交代を成し遂げていなかった民主党の支持率は、2桁をキープしています。しかし現在、立憲民主党の支持率は1桁という体たらくです。結局、やることといえば、朝日新聞や週刊新潮のスクープ記事を右手に握りしめ、国会で麻生太郎財務相(77)や安倍首相の退陣を求めて、大声でわめいているだけです。野党としての実務能力が全く欠如していることを、有権者に見透かされてしまっているわけです」(全国紙政治部デスク)

 安倍政権を支持するつもりはないけれど、政権交代は絶対に嫌――。有権者の本音を言葉にすると、こんな感じになるのだろう。

 そうなると、アドバルーンがぶち上げられた衆議院解散にも、否定的だと考えられる。安倍首相の“延命措置”は不必要と判断するはずだからだ。あくまでも「現時点における国民感情」という留保はつくとはいえ、「9月の自民党総裁選で安倍3選を阻止する政治家が出現してほしい」と考えているのが最も多い層だということになる。

 ますます、石破茂(61)、岸田文雄(60)、野田聖子(57)という各氏に注目が集まり、人気も高まるのか、それとも驚異的な巻き返しで安倍首相が支持率を回復させてしまうのか、これが政局における注目ポイントのようだ。今年の夏は、天候はどうであれ、政治的には“熱い”ものになるのかもしれない。

週刊新潮WEB取材班

2018年4月26日掲載

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