「オリンパス粉飾事件」ドキュメンタリー 社内ではタブー扱い

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 7年前、粉飾決算事件を起こした大手光学機器メーカー「オリンパス」。性懲りもなく、中国現地法人が反社会的企業と取引を行い、それを問題視した弁護士資格を持つ社員にパワハラを働いたのは昨年末。本誌(「週刊新潮」)は2度に亘りこの問題を報じたが、泣きっ面に蜂。ここにきて古傷を抉るような長編ドキュメンタリー映画が公開される。

 その映画は、山本兵衛監督の「サムライと愚か者」だ。オリンパス粉飾事件がテーマで、事件をスクープした経済ジャーナリストの山口義正氏や、粉飾を告発して解任されたマイケル・ウッドフォード元社長などへのインタビューで構成されている。映画業界関係者によれば、

「エグゼクティブ・プロデューサーは、数々の話題作を手掛けてきた奥山和由さん。奥山さんがウッドフォード元社長の著書を読み、感動して映像化に踏み切ったと聞いています」

 20年前、松竹で専務だった奥山氏は、当時社長を務めていた実父と共に解任されている。その実体験と、ウッドフォード元社長の解任を重ね合わせたのかもしれない。

 すでに欧州などで放送、放映されて大きな反響を呼んでいるという。ともあれ、オリンパスには、過去の過ちを教訓に生かす絶好の“教材”といえそうだが。

「社内では、この映画の話題を口にするのはタブーになっています」

 こう声を潜めて語るのは、オリンパスの現役社員だ。

「最近、経済誌でオリンパスが取引をしていた中国の反社会的企業から契約不履行で訴えられたと報じられました。ですが、その記事が出るまで、多くの社員はまったく知らなかった。会社の“隠蔽体質”は、7年前から何も変わっていません」

 映画は5月から全国で順次公開される予定。タイトルもGOODなのでヒットするかも。

週刊新潮 2018年4月19日号掲載

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