春に飛び回る「インスタ蠅」たち 辞令をアップする防衛省職員、“桜切る馬鹿”
猿山の子猿たち
この季節ならではの“炎上劇”は、「インスタ映え」を競う若い女性たちの間でも起きていた。桜の花を頭に飾り、〈花冠〉〈桜ヘアー〉などと称して投稿することが流行っているのだが、ネットでは、そんな可憐な彼女たちを「インスタ蝿」だと揶揄しているのだ。
まさに桜満開の公園に居合わせたあるツイッタラーは、SNSでこう呟いた。
〈「桜切る馬鹿梅切らぬ馬鹿」という言葉があるように、桜は枝を折るとその部分から腐敗が進みます。今日公園で桜の枝をパキパキ折って花冠を作っている女性2人を見かけました。調べたらインスタグラマーがそれを流行らせている模様。日本の桜が(中略)インスタ映えに滅ぼされる日も近そう〉
実際、インスタ上に〈桜ヘアー〉をアップした女性は、こんなコメントをつけたことで火に油を注ぐ。
〈めっちゃさくらちぎった〜笑笑 ちょー楽しかった!〉
これにはネット民たちも、
〈桜が弱ってしまうよ!〉
なんて呆れ顔なのである。
SNS事情に詳しいITジャーナリストの井上トシユキ氏の“喝”を聞こう。
「インスタなどSNS全般にいえることですが、投稿者には〈いいね!〉を貰うことで満たされたい承認欲求があるんです。自分も可愛いと思われたい。こんな企業に就職したゾと自慢したい。しかし、現代は3Dプリンターで銃も作れてしまう時代です。ほんの少し考えれば、辞令や社員証を気軽に投稿するリスクが分かりそうなものですが」
仮に本人が無神経であっても、親しい友人が注意喚起できないものなのか。
「SNSでの繋がりを重視する若者は、互いの空気を乱すことを嫌うので、批判的なコメントは避けて〈いいね!〉を押すだけ。猿山の子猿たちがじゃれ合っているようなものです」(同)
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