“松山刑務所”から脱獄、平尾龍磨受刑囚に科せられる「逃走罪」の量刑は意外と軽い!?
国家の“期待”を裏切っても温情!?
松山刑務所大井造船作業場のような「塀のない刑務所」に収監されるためには、初犯で、比較的刑は軽く、刺青が入っていない……など非常に厳しい条件をクリアしなければならない。「模範囚中の模範囚」という“犯罪者のエリート”しか入れないのだ。
平尾容疑者の場合は、出店荒らしや車上荒らし、ひったくりなど121件、被害額約405万円相当の被害を福岡県警が確認した(朝日新聞報道)。我々普通の市民には重罪とも思えるが、殺人罪のように他人の命を奪ったのとは決定的に異なるのも事実だ。
松山刑務所大井造船作業場の作業は厳しい。精神的にもタフでなければ、上下関係の厳しい人間関係も乗り切ることはできない。「塀の中のほうがマシ」と脱走した受刑囚すら過去には存在した。
だが松山刑務所大井造船作業場の受刑囚には、他とは異なる“特典”が与えられる。何よりも最大のメリットは、仮釈放が早いということだ。「早く娑婆に出られる」というメリットを心に刻み込み、他の刑務所より厳しい生活を必死に耐える。再犯率は他の刑務所に比べて非常に低い。
このような“期待”を裏切って脱走したのだから、普通の刑務所を脱走したよりも刑が重くなりそうなものだ。
しかし刑法は「塀のないところから逃げた」ほうが罪は軽いと定めている。我々一般人には引っかかる。「納得できない」という方もいるかもしれない。
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