「西部邁」私淑の2人 自殺を幇助するまでの顛末記

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 人の噂も七十五日とはいかなかった。評論家の西部邁氏が亡くなった日から数えて74日後の4月5日、自殺幇助の疑いで2人が逮捕されたのだ。入水を手伝った人間がいるはず――。世間にくすぶる噂が忘れ去られることはなかったのである。

 絶筆の書となった『保守の遺言』のあとがきで、西部氏はこう述べている。

〈人は一人で生まれ一人で死ぬこと以外には何も残すことがないといった虚無の感が否応もなく押し寄せる〉

 だが、事切れる瞬間は別にしても、一人ではなかった。...

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