順天堂「取り違え」被害者がすべて告白 不倫疑いで両親離婚、母は精神病を患い…

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45年前に追い返され

 順天堂医院は本誌の問いに、

「ホームページに掲載した以外の詳細については、当事者様との間ではいずれも解決済みであり、当法人としてコメントすることは適切ではないと判断しておりますので」

 と、臭いものに蓋をしたいと言わんばかりの返答をしたが、「当事者様」との間で、いったいなにが「解決済み」だというのか。この名門病院には人の“生”への責任感が、まるで欠如しているようだ。

 小林さんの血のつながらない母親が、言葉少なに思いを語った。

「義之の血液型を知って順天堂にかけ合っても、“そんなはずない”と無下に扱われてね。その後も3回くらい行って、私も主人も血液検査を受け、義之の血液と合わないと告げられはしたんです。なのに“それなら弁護士を入れて訴えてください”と言われ、豊かじゃないから裁判なんて無理で、主人からは“浮気の子供”と散々言われて、離婚しちゃってね。私は雨戸を閉めて家に籠ってしまって。いま一番許せないのは病院です。私と義之の人生をなんだと思っているのかって。悔しさとか怒りを通り越して、むなしいです」

 順天堂はくだんの〈お知らせ〉に、〈こうした取り返しのつかない事態が〉云々と書く。だが、取り返しがつかなくなったのは、45年前に取り違えを疑って訪れた被害者を追い返したからだろう。いままた隠ぺいによって、さらに取り返しがつかなくしているが、それが“罪”だという認識がないこと自体、罪である。

週刊新潮 2018年4月19日号掲載

特集「闇に葬られた『新生児取り違え事件』で急展開 被害者がすべてを告白した『順天堂大学』隠ぺいのカルテ」より

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