池江璃花子フィーバーも 競泳JAPAN、東京五輪の“金ゼロ”懸念

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 8月のジャカルタ・アジア大会代表選考会を兼ねた競泳日本選手権が東京辰巳国際水泳場で開催された。

 それに先立ち、日本水泳連盟による記者懇親会が催されたのだが、そこで泉正文副会長が次のような挨拶を行ったという。

「今年度の目標は、“モノを盗まない”“人を殴らない”です」

 部外者には説明が必要だろう。いずれも競泳界の不祥事をネタにした自虐ギャグだ。“モノを盗まない”とは、前回の2014年仁川アジア大会で日本選手が窃盗罪で起訴された一件(本人は無実を訴えたが、後に有罪が確定)を念頭に置いたもの。“人を殴らない”は、昨年末の小関也朱篤(やすひろ)選手(26)による後輩への暴行事件を受けたものだ。あまりに低すぎる目標設定に、記者たちからは失笑が漏れたのだとか。

 それはさておき、今大会で注目を集めた選手は、出場全種目で日本記録を更新した池江璃花子(17)だった。

「アジア大会も“池江フィーバー”が巻き起こるのは必至です」(スポーツ紙競泳担当記者)

 16年リオ五輪で2つの金メダルを獲得した日本競泳陣。2年先に迫った東京五輪での金ラッシュが楽しみだ……と思ったら、案外そうでもないらしい。

「実は、“金ゼロ”の恐れすらあるんです」

 と先の記者。どの競技団体も東京五輪に照準を合わせているため、“金の数が減った唯一の競技”になるとも囁かれているという。

「リオ金の金藤理絵(29)が3月に引退してしまいましたし、萩野公介(23)と瀬戸大也(23)で金銅を獲った400メートル個人メドレーも海外勢が台頭している。アジアで無敵の池江も世界ではまだまだで、五輪は良くて銅止まりでしょう」(同)

 不祥事を起こさないことも大事ではあるが……。

週刊新潮 2018年4月12日号掲載

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