日テレ・新人アンドロイドアナ「アオイエリカ」 産みの親は「過度な期待はしないで」

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この世にAIはまだない

 当初、日本テレビ放送網執行役員編成局長の福田博之氏は、こう説明していた。

「『AI(人工知能)が人間の仕事を奪うのでは?』という問いが投げかけられていますが、日本テレビでは、テクノロジーと私たちの創意工夫が連携することでコンテンツ制作にイノベーションが生まれると考えている。目指すのは人間の“代替”ではなく、人間とアンドロイドが一緒に働くことで生まれるクリエイティビティの“拡張”――」

 しかし、アオイエリカの初登場では、流行りのAI技術を目の当たりにすることは適わなかった。日テレとアオイエリカを1年間に亘って共同開発した、いわば産みの親である大阪大学の石黒浩教授(54)に聞いてみた。

「これまで様々なアンドロイドを作ってきましたが、私としては、それが実用的な場面で使えるものなのか、テレビを通して実証実験をしてもらっているところです」

 AI技術の進化が注目されているが、

「いや、よく言うんですけど、我々はアンドロイドを研究開発する中で、『AIが世界を変える』なんて発言はしていないんですよ。マスコミはね、AIが毎日毎日進化して、すぐにでも人間を超えるようなことを言うけれど、人間だって成人男性、成人女性が、毎日毎日進化していますか? 人間にもできないことがアンドロイドにできるわけないじゃない。ですから、過度な期待はまだ早い。みなさんが期待しているようなAIは、まだこの世には存在していないんですから」

 そうなんですか!

「音声認識とかいっても、音響信号をテキスト化するだけのこと。僕らの研究は地道なものですから」

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