“セクハラ貫主”ついに解任 「善光寺」の#MeToo

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“天下の名刹”善光寺(長野市)を共同運営する天台宗「大勧進」のトップ、小松玄澄貫主(かんす)(84)が解任された。貫主の首を吹っ飛ばしたのは、どうやら世界中で拡がる“#MeToo”の嵐――。

 全国の天台宗の宗務を統括処理する「天台宗務庁」が、小松貫主の解任を発表したのは3月31日のこと。善光寺傘下の寺院で作る“天台宗一山(いっさん)”の住職によれば、

「3年前、小松貫主は善光寺で食事や布団の上げ下げなどをする女性職員2人に対してセクハラ行為をした挙句、彼女たちに差別的な発言をして、閑職に追いやったのです」

 善光寺の貫主は仏教界ばかりか、地元では“生き仏”として畏怖される存在だが、

「小松貫主は2002年に就任した直後から、日本に数台しかない高級外車を乗り回し、女とカネの黒い噂が絶えませんでした」(同)

 本誌(「週刊新潮」)も、07年に「『善光寺貫主さま』が3人の女性と交わした絵文字入り『不倫メール』」の記事で、小松貫主の奔放すぎる女性関係を報じている。善光寺の職員がいうには、

「週刊新潮に報じられたことで、小松貫主は“外の女性”は目立つと考えたのか、女性職員をターゲットにセクハラ行為をしていたのです。泣き寝入りする職員もいましたが、今回の被害女性たちが人権擁護団体に相談したことで、それまでタブー視してきた地元紙も小松貫主の問題を報じ始めました」

 ダンマリを決め込んでいた天台宗務庁も、告発の動きを無視できなくなったようで、

「天台宗務庁は昨年12月、小松貫主を呼び出して、天台宗トップの座主自らが解任を申し渡して、“辞表”を書かせました。辞任届を提出した小松貫主でしたが、一転して辞任を拒否し、法人としての天台宗を相手取り、地位確認と業務妨害禁止を求める仮処分申請を大津地裁に行っています」(先の住職)

 小松貫主が、善光寺に戻る日は来ないはずだ。

週刊新潮 2018年4月12日号掲載

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