都心で新築・3畳ワンルーム…超コンパクト物件が大人気のワケ

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シェアハウスの“欠点”を解消

 こうした動きの“原点”を歴史的に求めると、数年前から人気を呼んでいるシェアハウスが浮かび上がるという。

「シェアハウス人気のポイントは、リビングと台所を共有スペースにすることで、居住スペースをコンパクト化し、家賃を下げたことにあります。ただ1人で寝られるとはいえ、他人とのコミュニケーションが苦手な人もいます。超コンパクトタイプのワンルームは、この問題の解消を図ったと言えるでしょう。都心に位置していますから、周辺には様々な店舗が深夜まで営業しています。台所もリビングもいりません。食事は健康に気を使ったメニューが豊富な飲食店へ行き、コーヒーを飲みながら読書を楽しむなら近所のカフェを訪れるという具合です。かつては狭い家に住むのは生活に余裕がないこととイコールでした。ところが今回の場合は、可処分所得に余裕を持つ独身の会社員にも人気だというところに特徴があります」(同・田辺さん)

 今後の不動産業界は、こうした「痒いところに手が届く」物件を作る必要に迫られているという。画一的な部屋を大量に供給して利益を上げる時代ではなくなったということだ。「狭くてもいいから都心に住む層」、「ある程度の広さは必要だから郊外に住む層」「とにかくペットと一緒に住みたい層」というように顧客の細かな好みに対応しなければならない。大変な時代だとも言える。

 実は田辺さんも、山手線の駅に近い約5畳のワンルームマンションに住んでいる。住み心地はどうなのだろうか?

「物件を探すと、40平米で家賃月15万円というタイプと、5畳で10万円を切るものの2つが見つかりました。別に実験という感じではなく、『駄目だったら、また引っ越せばいいや』と軽い気持ちで住んでみました。ところが想像していた以上の満足感で、自分でも驚いています。まず会社が近いので通勤が非常に便利です。部屋にはベッドしか置いてませんが、勤務後は外で食事を摂ってしまいますから、家ではシャワーを浴びて寝るだけなので不自由がありません。私の部屋も、バス・トイレ別で水回りは快適です。私のような人間は決して少なくないようで、今、超コンパクトタイプのワンルームは人気です。聞くところによれば、どの物件もほぼ満室という状態だそうですよ」

 住めば都と言うけれど、こういったライフスタイルを、読者の皆さんは、どうお感じになるだろうか?

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週刊新潮WEB取材班

2018年4月11日掲載

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