日朝首脳会談へ「オレが」 トンがる今井総理秘書官

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 ついに動くのか。

 そんな期待を抱かせたのが、6月にも開催かと報道された日朝首脳会談である。

「そもそも、日朝報道に火をつけたのは、今井尚哉総理秘書官なんですよ」

 と、政治部デスク。

「3月13日、共同通信やロイター通信が“首脳会談を模索”と報じて以降、今井さんは記者の夜回りに“俺が北朝鮮に行くぞ”、“金英哲(統一戦線部長)が俺に会いたがっている”とか“ドーンといかないとな”と会談へ前のめりな姿勢を鮮明にしました。森友疑惑がピークに達していた頃。今井さんが森友の火の粉を払うためにリークした、と言われていたのです」

 それでも、各社が今井氏を無視できなかったのは、外交を仕切った過去があるからだ。

「一昨年、プーチン大統領が来日した際は、外務省でなく経産省出身の今井さん主導で北方領土の共同開発など経済政策を提示しました。さらに昨年、二階幹事長が中国の習近平に安倍総理の親書を届けに行った時は、親書を勝手に書き換え、AIIB(アジアインフラ投資銀行)参加に前向きなメッセージを伝えた。外務省出身で国家安全保障局長の谷内正太郎さんが激怒していました」(同)

 つまり、口出しは日常茶飯事というわけ。一方、冷ややかなのが外務省である。

「河野太郎大臣はもちろん、秋葉剛男事務次官も“すぐ日朝という人もいるけど、そう単純じゃない”と批判しています。米朝首脳会談が物別れに終わった場合も考え、日本がぶれないことが重要、と考えているのです。谷内さんも同調しています」(外務省関係者)

 官邸と外務省の鞘当てが始まっているのだが、

「共同通信の世論調査で内閣支持率が40%台に回復。総理も胸を撫で下ろしている。5月にも開かれる米朝首脳会談が終わるまで、日朝は一旦沈静化する、と見ています」(先のデスク)

 北朝鮮問題さえ疑惑隠しのごとく軽々に扱うのが、官邸の流儀――。

週刊新潮 2018年4月12日号掲載

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