進学戦線に異状あり… 3年後に東大合格者が「増える高校」「減る高校」
伸びる女子校、共学校
ところで駿台教育研究所進学情報事業部の石原賢一部長は、
「一部を除いて女子校や共学校は、東大の実績があまり伸びない傾向がある」
と語るが、そのわけは、
「東大は女性の学部長クラスは数少ない男社会。その点、医師なら技量さえあれば性差はあまり関係ない」
だから優秀な女子は医学部を目指すという。それを念頭に、広野氏に伸びている女子校を尋ねると、
「鴎友学園女子、洗足学園、吉祥女子です。東大はともかく医学部などの合格者が増えている。これらの学校は大学進学を重要なプロジェクトと位置づけ、説明会でも伝えています」
2月1日入試のサピックス偏差値の推移は、東大合格者6人の鴎友学園が50→48、7人の洗足学園が51→53、3人の吉祥女子が50→51である。
渋谷教育学園渋谷も東大合格者が増えにくい学校かもしれない。同幕張の男女比2対1に対し、こちらは3対4だからだ。しかし、
「以前は男子は比較的入りやすかったですが、最近は男子にも人気が高い。帰国生を多く受け入れ、高校生になると第2外国語も取ることができ、大学進学も学校の使命として指導なさっています」(同)
東大合格者は今年25人で、15年の33人、16年の30人に及ばないが、2月1日入試のサピックス偏差値は男子53→56、女子56→59と急伸。東大合格者も増えていくのは間違いなさそうだ。
だが、広野氏は、
「最近、偏差値が上がった学校といえば、圧倒的に共学の広尾学園です」
サピックス2月1日午前の偏差値は46→54、1日の午後入試は50→58で、
「1日午前も、現実にはこの偏差値では、なかなか入れなくなっています」
人気の理由だが、
「一つは入試日が2月1日の午前と午後、2日の午後、5日とあり、午後入試は午前中が試験の学校と併願しやすく、5日は受験できる学校が少ない。上位層が併願しやすいのです。また普通科に当たる本科のほかインターナショナル、医進・サイエンスと3コースに分かれ、注目の医学、理系、国際に特化した学習ができる魅力がある。さらには情報公開に熱心で、面倒見の良さを目に見えるようにしているのも魅力でしょう」
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