糖質制限で「老ける」「寿命が縮まる」… 東北大が研究

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老化を促進させる「IL-6」

 通常食と糖質制限食のマウスを比較すると、血液中に含まれるある物質の量に差違があったという。それは、インターロイキンシックス(IL-6)という物質で、

「その数値が高いとがんや糖尿病などの発症率が上がるのはもちろん、体全体の炎症を促進させる物質として知られています」

 と、都築准教授。

「IL-6こそ老化を促進させる物質と言って良く、その数値が低ければ低いほど長寿、高ければ高いほど早く死ぬと言われています。実際、百寿者の方はこの数値が極端に低いことが分かっている。今回の実験では、糖質制限グループはこの数値が通常食グループの1・5倍もあった。このことも、糖質制限グループが短命だった要因の1つでしょう」

 糖質制限が痩身に繋がるメカニズムは、簡潔に言えば次の通りである。

 糖質摂取をカットすると、脳や筋肉の活動を維持するため、体内でケトン体という代謝物が生成される。ケトン体は脂肪細胞に蓄えられた中性脂肪が分解される形で生成されるため、体重減少に繋がるわけだ。このメカニズムそのものに、老化が促進される要因があるのでは、と指摘するのは、愛知みずほ大学学長の佐藤祐造氏である。

「ケトン体の量が多くなると血液が酸性に傾き、ひどくなると高ケトン血症になり、骨や筋肉など体全体の細胞を弱め、さびつかせることになります。これが老化を引き起す一因になっているのではないか、と考えます。高ケトン血症になると、最悪、亡くなってしまうこともあるのです」

週刊新潮 2018年4月5日号掲載

特集「衝撃の新証拠! 糖質制限で『老ける』『寿命が縮まる』」より

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