なぜ子供も大人も「スタンプラリー」にハマるのか――彼らを虜にする秘密
明治時代に遡れる源流
シヤチハタ(愛知県名古屋市)はサイト「スタンプラリー研究所」を開設し、その中に「スタンプラリーの歴史」という興味深いコラムを掲載している。内容を箇条書きにさせていただくと――。
【1】明治時代に鉄道と郵便制度が導入され、消印の蒐集家が出現
【2】1970年、大阪万博で「スタンプコレクション」を実施、シヤチハタがスタンプを製造
【3】71年、旧国鉄「ディスカバー・ジャパン・キャンペーン」で「スタンプコレクション」イベントを開催
【4】74年から78年にかけての「スーパーカーブーム」「自動車世界ラリー選手権初開催(73年)」などを背景に「スタンプラリー」の用語が誕生
【5】85年、つくば科学万博で「スタンプラリー」を実施
源流は明治時代にまで遡ることができるというのだ。日本全国の老若男女を夢中にさせて当然なのかもしれない。原点から鉄道が関わっているのも面白い。シヤチハタの担当者は、スタンプラリーの魅力を次のように分析する。
「スタンプラリーは本質的に、『モノを集める』、『集めたものを残す』という2つの構成要素から成り立っています。狩猟採集し、収穫物を貯蔵するという人間の原初的な行動とも類似性があるのではないでしょうか。収集や記録という行為は人間の習性、本能と密接な関係があると考えても、それほど間違っていないと思います」
お気づきの方も多いだろうが、スタンプラリーは“宝探しの物語”に極めて似ている。「機動戦士ガンダムスタンプラリー」を例に見てみよう。
[2/5ページ]