濡れ手で粟の「カルプレス」被告 破産したはずなのに1400億円

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 さらにカルプレス被告にとって朗報なのは、昨年7月、米検察当局が巨額の資金洗浄で「ヴィニク」と名乗るロシア人を起訴したことだ。

「それによるとヴィニクがビットコインを盗み出した張本人である疑いが濃くなってきたのです。これが裁判で認められると、カルプレス被告が大手を振って世間に戻ってくることになるわけです」(投資ライターの高城泰氏)

 もちろん、債権者も指を咥えて見ているわけではない。

「昨年11月、大口債権者グループが民事再生手続きの申し立てを行っています。破産を民事再生に切り替えれば、マウント社が保有しているビットコインの大半を債権者らで分配できるからです。目下、東京地裁では、それが可能かどうか調査を始めたところです」(先の債権者)

 ところで、当のカルプレス被告はというと、知人の会社でプログラマーのアルバイトなどをしながら糊口をしのいでいるというが、

「最近は大金が入って来ることを知って気が大きくなったのでしょうか。自分のブログに“ビットコインは(民事再生法を適用せずとも)自分の手で直接債権者に配分することが出来る”といった内容のことを書いています」(カルプレス被告の知人)

 どこまでも悪運の強い男である。

週刊新潮 2018年3月29日号掲載

ワイド特集「明日ありと思う心の仇桜」より

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