欧米vs.ロシア「交渉放棄」で高まる「不測の事態」の憂慮

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 英国での元ロシアスパイへの神経剤襲撃事件は、欧米側とロシアがそれぞれ200人以上の外交官を相互に追放する異例の展開となった。冷戦時代にもこのような追放劇はなく、戦時下を思わせる。ロシアにとって、欧米諸国が一斉に行動するとは想定外だったろう。

 欧米の同盟国が反露で結束するのに対し、ロシアの同盟国・カザフスタンは米国接近を強め、ロシア離れがみられる。孤立するウラジーミル・プーチン露大統領の次の一手が要注意だ。

ロシアの誤算か

 ロシア外交官の追放を決めたのは、3月31日時点で29カ国で、欧米以外ではオーストラリアも同調した。...

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