北島三郎次男、大原麗子も… 年間3万人「孤独死」の検証
孤独死しやすい環境
なぜ、いま孤独死が増えているのか。結城教授は、
「一つの問題は、65歳以上の一人暮らしが増加していることです。独居高齢者がこれだけ増えると、体調に変化があっても助けを呼べない場合があり、その結果、突然死すると発見されるまでに時間がかかります。趣味のサークルにでも入っていればいいですが、人と交流をもたないお年寄りが増えているのです」
と説明しつつ、同時に40〜50代の孤独死も多くなっていると、こう話す。
「結婚しない人、離婚して一人暮らしの人が増えているのです。働き方の変化もある。フレックスタイム制で働く方や、契約や派遣社員の方が増えました。昔のようにタイムカードを押して働いていれば、定時に出社しないと会社の人が心配して自宅を訪ねたりしましたが、フレックス制だと気にされず、契約や派遣だと無断欠勤と思われかねない。個人主義の蔓延もあります。親戚や友だちとの付き合いを嫌って一人を好む人が多い。コンビニがあり、洗濯機も多機能化し、家事に不慣れな男性も一人で生きていけますからね」
家族関係や社会の変化によって、孤独死しやすい環境が生まれているというのだ。結城教授は、
「“人間死んだら終わり”と思うのではなく、お墓に入るまで自分に責任があることを、国民一人ひとりが自覚することです」
と続けるのだが、どういう意味だろうか。
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