「引っ越し難民」急増で「トランクルーム業界」に問い合わせ殺到の“大混乱”

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引っ越し業界が4月の作業を拒否!?

「引っ越し難民」という言葉を最近よく聞く。3月から4月は引っ越し業界にとっては繁忙期。だが、空前の人手不足から、業界は受注を減少させている。

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 全日本トラック協会は昨年12月19日、「引越繁忙期~分散引越にご協力をお願いします~」との文書を発表した。

《最近は引越事業者における人手不足により、引越作業が混み合う時期は「希望日に合う事業者が見つからない」などご希望に添えない場合もあります》

 このように注意喚起した上で、《混雑日を避けて、分散引越についても併せてご協力のほどお願いいたします》と呼びかけている。要するに「4月以降に引っ越しを延期してくれ」と懇願しているわけだ。

 引っ越し業界の顧客層は極めて広い。一家4人家族から単身赴任、4月から新しい門出を迎える社会人、大学生はもちろん、高校生が入寮するケースだってあるだろう。日本経済が直面する「働き手の減少」は引っ越しを予定している人々にも大きな影響を与えているわけだが、その“余波”はトランクルーム業界にも及んでいるという。

 業界最大手のキュラーズ(東京都品川区大崎)で、オペレーション/マーケティングのシニアディレクターを務める萩原康夫さん(38)が言う。

「トランクルーム業界も2月後半から4月頭は繁忙期です。この時期、引っ越しに関連したお問い合わせは他の時期に比べて倍になります。例えば転勤時、数年後に戻ってくることが決まっている場合、これまで住んでいた賃貸マンションの家財道具をトランクルームに収納。転勤先では家具付きの家に住む、といった活用法です」

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