野田聖子が“放送法4条撤廃”に異議 官邸に楯突く狙いは?

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 文書改ざん問題で揺れる政府内に、今度は亀裂が走っている。

 安倍総理が目指している放送事業の見直し方針について、野田聖子総務相(57)が、異議を唱えているのだ。

「発端は、3月22日に行われた衆院総務委員会でした」

 とは、政治部デスク。

「見直しの目玉である放送法4条の撤廃について、野党から質問された野田さんは、あろうことか“4条は非常に重要”と、野党と同様の見解を述べたのです」

 放送法4条とは、放送事業者が放送する番組の編集について定められた条文。

 その中身は、

「“公安及び善良な風俗を害しない”“政治的に公平である”“報道は事実をまげないでする”といった、放送上の倫理が規定されていて、この法律によって、偏向報道が抑制されてきたわけです」(同)

 一方、規制改革を目指す安倍内閣はというと、

「その条文を取っ払い、放送法の外にありながらネット上で放送している事業者と、放送局とを平等に競わせ、よりよい放送を目指そうという狙いなのです」

 この方針に総務省内では、

「“フェイクニュースが蔓延する”“コストをかけた災害報道ができなくなる”と、不安の声が上がっています」(同)

 そこで所管の大臣が代表し、物申したという次第。

 もっとも、

「野田さんは以前から、この改正については反対だと周囲に漏らしていましたよ」

 と、総務省担当記者。

「ですが、真っ向反対を述べると閣内で角が立つため、これまで大声をあげてこなかったのです」(同)

 ところが、

「内閣支持率がだだ下がりしてきて、安倍さんの3選が確実視されていた総裁選もわからなくなってきた」

 これはとりもなおさず、

「出馬を表明している野田さんにとっては、またとない大きなチャンス。安倍さんとの違いを鮮明化するため、ここぞとばかり、撤廃への反対を表明したのでしょう」(同)

 亀裂は広がるばかり――。

週刊新潮WEB取材班

2018年3月30日掲載

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