拘置所衛生夫が見た「オウム麻原」の今 死刑執行まで秒読み

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「オウム死刑囚」13人の罪と罰(1)

 執行、秒読み。突然のオウム真理教死刑囚の「移送」はそれを雄弁に物語っている。事件から四半世紀、凶行が歴史の一部となりつつある彼らの「罪と罰」を振り返る。

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 事態が急展開したのは、3月14日の朝だった。

 一連のオウム真理教事件の死刑囚は全部で13名。いずれも東京・小菅の東京拘置所に収監されている。この日6時半、13名のうち7名を乗せたバスが1台ずつここを出た。乗っていたのは、林泰男、岡崎一明、横山真人、新実智光、井上嘉浩、中川智正、早川紀代秀の各死刑囚。そして、仙台、名古屋、大阪、広島、福岡の各拘置所に移送されたのである。

「司法記者は“臨戦態勢”を取り始めています」

 と振り返るのは、さる全国紙の司法担当デスク。

「とりわけオウムの場合、死刑囚の移送はそのまま、執行の準備が整ったことを意味する。いつ頃Xデーが来るのか、どの社も取材に追われています」

 どういうことか。

 日本には現在、死刑を執行する「刑場」を持つ拘置所は、東京拘置所を含めて7カ所。7人が移送された各拘置所も、いずれも刑場を持つ。

「ひとつの事件で複数の共犯者に死刑が確定している場合、同時に執行するのが原則です。しかしオウムの場合、13人もが確定している。東京拘置所には刑場はひとつしかなく、執行は1日2人が限界です。そのため、まとまった数を同時に執行するには、予め他の拘置所に分散しておかないと不可能なのです」(同)

 裏を返せば、そのための措置をとったということは、執行の準備が整ったということ。いつハンコが押されてもおかしくないのだ。

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