ウクライナに敗北「ハリルジャパン」1分1敗も結果にこだわる必要なし

スポーツ

  • ブックマーク

ハリルは直前で11人を入れ替えた前例

 さてハリルホジッチ監督である。ウクライナ戦後も「5~6人をケガで呼べなかった。まだ準備はできていない。しっかり改善しないといけない」とチーム作りの最中であることを強調した。それは3月15日のメンバー発表の際にも「(5月30日の)ガーナ戦が終わって31日に23人を発表する予定でいる」と明言していた通り。

 それはハリルホジッチ監督に限ったことではなく、長谷部はチームメイトが代表候補30人に入ったことで祝福したら、「まだわからないよ」と言われたそうで、「ヨーロッパではよくあること」と話していた。

 W杯のメンバー23人の絞り込みは指揮官が言う通り5月中旬からのキャンプがベースになる。このため今回の2試合は絞り込みのためのサバイバルマッチではなく、ケガ人などで主力選手を呼べない際に備え、「多くの選手を見る」ためのベルギー遠征だった。

 そして結果は1分け1敗だったが、結果にこだわる必要はない。もちろん監督も選手も勝利を目指すが、今回のテストマッチの主眼はあくまで「選手の見極め」にある。ハリルホジッチ監督といえば、前回のブラジルW杯でアルジェリアを率いた際に、直前で11人を入れ替えた前例がある。さらに本大会では試合ごとに主力選手を入れ替えながらベスト16に進出し、決勝トーナメント1回戦では優勝したドイツを一番苦しめたチームだった。

 ウクライナ戦後の会見でハリルホジッチ監督に、4年前の3月の段階で日本とアルジェリアのチーム状況の違いを聞いたところ、「同じような時期にそれぞれのクラブで試合に出られない選手がいて似たような状況だった」と明かした。さらに続けて「アルジェリアは個人で打開できる選手がいて、パワーもあった」と日本との違いを指摘しつつ、「日本には規律を守る長所がある。規律があっても日本は変わらない部分がある。ただW杯前に3週間のキャンプがあるので、そこで挽回できると期待している」と、最終的なチーム作りは5月31日に23名を発表した後になることを強調した。

次ページ:手の内をさらす必要はない

前へ 1 2 3 次へ

[2/3ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。