麻生財務相に赤信号… 大臣のクビが飛んだ「引責辞任史」

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「私ら(経営陣)が悪いんです。社員は悪くございません」。山一證券の野澤正平社長(当時)の号泣会見は、日本人の心に深く刻まれている。あれから約20年。麻生財務相の言葉もまた、後世にわたって我々の記憶に残るものとなることであろう、負の記憶として……。とどのつまり、麻生氏はこう言い放ったのだから。「私は悪くございません。佐川が悪いんです」と――。

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「佐川の答弁に合わせて書き換えたのが事実だと思う」

「最終責任者が(当時の)理財局長である佐川ということになる」

「サガワが」「サガワが」……。佐川前理財局長に全責任を押し付け、

「私の進退については考えていない」

 と、保身に走っている麻生氏。さすがにこの無責任な姿勢には、サガワならぬ「左側」からも「右側」からも猛批判が浴びせられていて、

「僕だったら『騒動にメドがついた時点で辞めます』と明言する。このままずるずると引っ張るのは、旧陸軍と一緒で『敗戦』のダメージを大きくするだけだ」

 と、現職閣僚までが突き放すように、麻生氏の大臣生命には赤信号が灯っている。それも当然で、彼が改ざんを指示したのではなく、また改ざん自体を知らなかったとしても、財務省の長である大臣に責任はないとの理屈は、少なくとも世間には通じない。

 事実、過去の例を繙(ひもと)きながら、ある財務省OBが「正論」を吐く。

「1998年、ノーパンしゃぶしゃぶをはじめとする大蔵省接待汚職事件では、時の三塚博蔵相が引責辞任しています。大蔵省接待は、三塚大臣時代に限らず、長年、続けられてきた悪弊でした。それでも、事が発覚した際の大臣として辞任を余儀なくされた。ならば、自分が関知していようがいまいが、自身の大臣時代に改ざんが行われた麻生さんも辞任に値するのは論を俟(ま)たないでしょう」

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