退職金5000万円「佐川国税庁長官」の履歴書 あだ名は“佐川急便”
松本清張の小説『点と線』で、省庁の汚職事件に絡み上司から全ての罪を被せられたのは「佐山課長補佐」だったが、こちらは「佐川長官」である。あれだけ“有能な人材”と持て囃していた麻生財務相から「佐川」呼ばわりされ、詰め腹を切らされた佐川宣寿(のぶひさ)・前国税庁長官。その大嘘つきの履歴書を繙(ひもと)いてみると……。
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〈資料は全て廃棄した〉
〈事案が終了しているため、記録は残っていない〉
今となっては哀れに思えてくるのが、理財局長時代に佐川氏が国会答弁でついた“虚言”の数々である。
「とにかく官邸は、財務省の調査で明らかになった改ざんについては、理財局が佐川氏の答弁に合わせる形で行っていた、として騒動の幕引きを図ろうとしています」(政治部記者)
そんな汚れ役への“口止め料”なのか、自ら辞職を申し出たことになっている佐川氏へは、なんと退職金が支払われるというのだ。
財務省広報室によれば、
「あくまで特定の個人ではなく一般論で申し上げますが、36年勤続され自己都合で辞められる場合、国税庁長官だと4999万円の退職金が支給されます」
佐川氏の場合、麻生大臣から減給20%、3カ月の懲戒処分を言い渡され退職金から差し引かれる見通し。それでも、省内では次官級の扱いを受けて長官職の年収は2193万円というから、少なく見積もっても長官在職中は約6000万円のお金を手にしたことになる。
その原資は、我々が確定申告の際に徴収された血税だ。
だが、濡れ手に粟でも佐川氏が失ったモノは大きい、とは国税庁のOBである。
「本来、長官経験者には引く手数多の天下りライフが待っています。“渡り”と言って複数の企業・団体の役職を経験し、引退するまでに最高8億円も稼いだOBもいた。残念ながら、佐川さんにお呼びがかかることはないでしょうけど」
となれば、今後の彼は「過去の栄光」で霞を喰っていく他ないという。
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