「森友改ざん」自殺職員、泣き崩れた妻 “残してくれたのは書道具だけ”

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国鉄から財務省へ

 職員氏は岡山県内の生まれである。1981年に高校を卒業し、国鉄に入社。一時、立命館大学の夜間部に通った苦学生でもある。87年の国鉄民営化の際に当時の大蔵省に転籍。以後、近畿財務局に勤務し、主に管財部で、国有財産の管理に当たっていた。死亡時の役職は、上席国有財産管理官である。子どもはいなかった。

 先の住民によれば、

「2年程前、ここでマンション修繕のための委員会が立ちあがったんです。その時、修繕費用の積み立てなどについて、(職員は)熱心に活動をしていました。財務局にお勤めと聞いて、なるほどと納得したのを覚えています」

 さる知人も言う。

「趣味は書道で、展示会に出展するほど熱心でした」

 その人生が暗転したのが、森友学園への国有地売却に携わって以降。一時、本件でマスコミからの問い合わせに対応する任にも当たっていたという。

 この知人は、職員の通夜にも参列している。

「奥さんと話しました。泣きながら“残してくれたのは書道の道具しかない”“もう生きていく糧がない”って。“それを使って(書道を)すればいいよ”となぐさめましたが、とにかくひたすら涙、涙、のお通夜でした……」

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

特集「3選も改憲も吹き飛んだ 『森友改ざん』の爆心」より

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