“新天皇誕生日”と重なって… 混乱の東京五輪「マラソン」最終選考

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 今季を締めくくる名古屋ウィメンズマラソンが11日に行われ、関根花観(はなみ)(22)が初マラソン歴代4位の2時間23分7秒で日本人トップの3位に入り、2020年東京五輪代表選考会「MGC」出場権を獲得した。

 これにより今季は男子13名、女子6名がMGC出場権を獲得。過酷な“代表レース”が幕を開けたのだが、その舞台裏でも思わぬ駆け引きが繰り広げられている。

「この度、MGCを2019年9月15日に東京で行うことが内定しました」

 と明かすのは、さる都政関係者。MGCでは男女各3枠のうち2枠が決まる。そして残る1枠は、19年冬から20年春にかけての選考対象大会で最速タイムを出した選手が選ばれる。

「東京マラソンも男子の選考対象大会。例年は2月最終日曜日に行われますが、20年は2月23日つまり新天皇初めての誕生日に重なるため、警備等の都合で翌週の3月1日にスライドすることになりました」(同)

 ところが、例年3月第1日曜日はびわ湖毎日マラソンが開催されている。

「そこで、“びわ湖”主催者に東京マラソン前の開催を要請したのですが……」

 と日本陸連関係者が継ぐ。

「“最終選考大会として注目されたい”と、前倒しを拒否。“ウチも翌週にスライドする”というのです」

 そこで、ますます面倒なことになった。第2日曜日は、女子の最終選考レース“名古屋”があるのだ。

「名古屋は、関根の好タイムも証明しているように、国内の女子大会で最もタイムが出る高速コースが売り。“スライドしろ”との声もありますが、3月中旬以降は気温が上がりタイムが落ちる、と及び腰です」(同)

 ということで、このままだと20年3月8日は男女の大レースが前代未聞の同日開催となる。しかもどちらも五輪最終選考レースだ。

「陸連内は“注目が分散する”とブーイングの嵐ですが、午前に名古屋、午後にびわ湖、と時間は重ならない。案外、相乗効果で盛り上がるかも」(同)

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

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