新燃岳噴火は“大地震の前兆”――木村政昭教授の警告

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 3月1日朝、霧島連山の新燃(しんもえ)岳が噴火、その後も火山性微動は増大、噴煙もより高く上った景色は読者もよく知るところである。

 だが、この九州での火山活動の活発化を、広く日本列島全体に関わる大地震の“前兆”とする学説の存在はあまり知られていない。

 この主張を唱え続け、学説に裏付けられた地震予測を的中させてきたのが、海洋地質学者・木村政昭氏(77)=琉球大学名誉教授=である。

「多くの学者は火山噴火と地震は別ものであり連動しないという立場です。しかし、これまでの現象を精細に分析すれば、何らかの連関があることは確かです」

 木村氏は、我が国の地震と火山噴火が双方とも、太平洋プレートとフィリピン海プレートの東から西への移動に伴うプレッシャーで起こる現象と説明する。

「東日本大震災後の2013年当時、三陸沖のストレスがなくなって太平洋プレートの押してくる圧力が高まり、桜島、新燃岳などの火山活動が活発化しているはず。注意すべきは九州内陸地震と主張したのです」

 その予測は3年後に熊本地震となって的中。15年に刊行した著書『次に備えておくべき「噴火」と「大地震」の危険地図』の中でも、霧島連山噴火を最高の“危険度5”と位置付け、発生予測時期を「2011年±5年」と記述し、誤差の範囲で的中させている。

「新燃岳噴火はフィリピン海プレートの圧力によるもの。今は九州の火山活動を注視すべき。連動している太平洋プレートのプレッシャーが影響する富士山噴火は、私の予測では、2014年±5年。東京直下型地震にせよ、いつやって来ても文句は言えません」(同)

 予測通りなら、東京五輪どころではない。桑原桑原。

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

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