従兄弟に利用された伊調馨、背景に田南部コーチとの関係 “練習場所を奪った”も嘘
“伊調はエコノミー”“練習場所を奪った”パワハラの嘘
日本レスリング協会副会長で、栄強化本部長がレスリング部の監督を務める至学館大学の谷岡郁子学長は、かつての教え子である伊調の心中をこう推し量った。
「馨には、栄監督が吉田沙保里ばかりを依怙贔屓するという思い違いがあるのかもしれない。告発状にも、栄監督が気に入っている沙保里や登坂絵莉はリオ五輪にビジネスクラスの飛行機で向かったのに馨はエコノミークラスで、それもパワハラの一つと書かれていた。でも、JOCの規則では、トップアスリートであってもエコノミークラスの交通費しか支給されません」
そのため、吉田は自腹でアップグレード分を払い、登坂は所属先の企業が負担した。
「長時間のフライトなのでエコノミー症候群を心配し、栄監督は馨にも“ビジネスクラスに乗らないか?”と声をかけていました。でも、それを断ったのは馨の方でした。決して、不公平に扱ったわけではありません。馨もそれはわかっているはずなのに……」(同)
さらに、栄強化本部長が伊調の練習場所を奪っているわけでもないという。
「これまで馨は“東京五輪は白紙”と繰り返してきました。そのうえ、昨年暮れには、所属先であるALSOKの契約更新でも専属選手契約から社員契約に切り替え、教育・訓練部から広報部に異動になっている。協会内では誰も、5連覇を目指しているとは思っていなかった。だいたい馨は現在、選手登録もしておらず、栄監督にしても練習の邪魔をしようがありません」(同)
[2/3ページ]