マリナーズ復帰「イチロー」の花道シナリオ

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 売れ残った大きな犬──自らをそう揶揄していたイチロー(44)が古巣マリナーズに復帰した。日米とも慶祝ムードに包まれ、出場したオープン戦のチケットが完売するなど大盛り上がりだ。GMは開幕レギュラーを明言したのだとか。だが、実はその雄姿を拝めるのもごく短期間だ。

「レフトのレギュラーのギャメルが2日に脇腹の筋肉を痛めて全治6週間。イチローはその穴埋めです」

 と大リーグ研究家の友成那智氏が解説する。本来なら4人目の外野手であるヘレディアが穴を埋めるところだが、彼も肩の手術明けで出遅れ気味なのだそうだ。

「今オフのFA市場は動きが鈍く、まだ大物選手が売れ残っていますが、マリナーズにしてみれば、たったひと月半の急場凌ぎに、彼らを獲るのはお金が勿体ない。そこで、75万ドルという赤札が付いたイチローに白羽の矢が立ったのです」

 マーリンズ時代、イチローの助言で首位打者に輝いたゴードンが移籍し、センターを守っている。イチローは彼の助言者としての役割も期待されているともいうが、それよりなにより、

「イチローは球団史上一番のレジェンド。いずれは一日契約でマリナーズの51番を着せて引退の花道を飾ってあげる必要があります」

 友成氏によると、ギャメルやヘレディアが完全復帰する5月下旬から6月上旬頃に自由契約、というのが既定路線。そこでイチロー本人が引退を決断すれば即座に花道が用意される。

「米メディアは“イチローは運よく最高の死に場所を見つけられた”という論調で、私も同意見。この通りいけば、メジャーリーガーとしてこれほど綺麗な引退はありません」

 犬は自らの死期を悟るというけれど……。

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

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