「伊調馨」の黒い従兄弟 2種類あった告発状は「栄本部長」恐喝の材料だった

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疑心暗鬼に

 では、なぜ、マスコミには、5枚バージョンの黒塗りの告発状が配られたのか。

「いつものIさんの手口ではないでしょうか。巨人軍の一流有名選手との不倫が話題になったグラドルを操って、IT企業の社長に美人局を仕掛けたときも、隠し撮りをした“ハメ撮り映像”をすぐに突き付けたわけではありません」

 とは、前出のI氏の知人である。

「まずは、“ハメ撮り映像”の存在をチラつかせることで揺さぶりをかけ、精神的に追い詰めていきました。そして、恐喝に取られないように相手が泣きを入れてくるのを待った。最終的に、Iさんは“美人局ビジネス”を成功させ、IT企業の社長に、掻き集めた領収書を買い取らせる方法で、年間1億円以上の収入を得るようになりました」

 同様に、栄強化本部長にも、得意の“美人局ビジネス”の手口を使ったという。

「いきなり、全部を公開せず、虚実綯い交ぜの黒塗り部分を残しておいたのは、“次は何が飛び出してくるのか”と、栄さんを疑心暗鬼に陥らせるためです。不安に耐え切れなくなった栄さんが頭を下げてきたときに示談金をせしめ、それ以降、顎で使うつもりだった。しかし、誤算だったのは、週刊新潮の報道などで自分の関与が世間に知られてしまったことです」(同)

 6人の金メダリストを育て上げた名伯楽を意のままに操ろうとする腹黒い目論見。その一方で、いくら従兄弟が企てたこととはいえ、伊調は結果的に恩師を裏切り、それに協力する格好になっているのだ。

週刊新潮 2018年3月22日号掲載

特集「『黒塗り告発状』は『栄強化本部長』恐喝の材料だった 『伊調馨』黒い従兄弟」より

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