森友文書改ざんで自殺者を出した財務省 20年前「接待汚職事件」も自殺者2人

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エリート銀行員と大蔵省の職員が「ノーパンしゃぶしゃぶ」に夢中

 20年前、財務省の前身たる旧大蔵省も、自殺者を出す大スキャンダルを引き起こした。少なくとも40代以上なら、98年に発覚した大蔵省接待汚職事件(ノーパンしゃぶしゃぶ事件)に強烈な記憶を持っているに違いない。

 大蔵省のエリート官僚やノンキャリが、銀行の接待漬けになっていたことが明るみになった。なぜ別名「ノーパンしゃぶしゃぶ事件」なのかと言えば、新宿に会員制のしゃぶしゃぶ店があり、そこでは若い女性が下着をつけずに接客を行っていたのだ。

 本格的な性的サービスはなくとも、客は女性の様々な場所を見ることができた。異常な人気を集め、銀行業界が大蔵省関係者を接待する現場となった。「風俗」の接待だと不安を覚える大蔵省の官僚も、セクシーサービスの飲食店なら安心して楽しむことができたのだろう。銀行側も「飲食店」の領収証なら経理に提出しやすかったに違いない。

 直接的な発端は97年5月、野村証券が「総会屋」とされた小池隆一氏に利益供与したとして、東京地検特捜部が小池氏と野村証券の元常務など3人を、証券取引法違反と商法違反の容疑で逮捕したことに遡る。

 この事件の捜査を突破口として、大蔵省が銀行などから接待漬けになっていた事実が明るみになっていく。当時の報道を参考に、年表を作った。肩書や年齢などは当時のものだ。

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