どうなった? 小池都知事の「花粉症ゼロ」公約
知らず知らずのうちに眼や鼻を襲い、集中力を欠如させる見えない敵、すなわち花粉症が今年も猛威を振るっている。
「今年の花粉飛散量は昨年の2倍程度と予測し、発表しております」(東京都福祉保健局)
一方で、昨秋、苦しむ患者には一筋の光明が見えたはずだった。小池百合子都知事(65)が希望の党の代表として、“花粉症ゼロ”を衆院選の公約に掲げていたからだ。
「議員定数削減などと共に “12のゼロ”を提唱。“満員電車ゼロ”のほか、花粉症撲滅を謳っていました」(都政担当記者)
それから半年――。くしゃみと目のかゆみに苦しみながら思う人も多かろう。あの公約はどうなったのか、と。
「実は、石原慎太郎都政の頃から花粉症対策は行っています」
とは、東京都産業労働局の担当者。
「花粉の発生源となっている多摩地域のスギを伐採し、花粉の少ない品種に植え替えるというもの。2006年から10年で1200ヘクタールを伐採し、花粉の飛散量を2割削減する予定でした。ところが、伐採できる事業者が限られ、結局、伐採は440ヘクタールに留まり、花粉量も約4%しか減らすことはできませんでした」
そこで、3年前から新たな対策が行われている。
「年間約60ヘクタールを目標に植え替えを行っています。ただ、対象となるのは、約3万ヘ クタール。災害防止の観点から一気に植え替えることは不可能です。小池都政になってからも同じスキームで行っています」(同)
つまり、花粉症ゼロをぶち上げたはいいものの、小池都知事独自の取り組みは行っていないのだ。
40年もの間、花粉症に悩まされているという自民党の秋田一郎都議が、
「スギを植え替える対策は時間のかかるもの。マジシャンでない限り、花粉症ゼロはすぐにできませんよ」
と言えば、先の記者も、
「小池都知事から花粉症の話は聞いたことがありません。結局、人気取りの公約だったのでは」
マスクを手放せない日々がしばらく続きそうだ。