朝ドラは大丈夫? 「広瀬すず」でも低視聴率の日テレ「anone」

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〈人は手に入ったものじゃなくて、手に入らなかったもので出来ているんだもんね〉。そんな秀逸なセリフがちりばめられているドラマなのに「anone」(日本テレビ系)の視聴率が下がりっぱなしである。ヒロインが広瀬すず(19)でも低空飛行の原因とは。

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 ニセ札をきっかけに出会った孤独な少女と、様々な苦悩を抱えた大人たち。ニセモノに引き寄せられたはずの人間たちが、いつの間にかホンモノの家族のように繋がってゆく。広瀬が演じるのはヒロインのハリカだ。

 旬の女優を起用したことに加えて、ドラマ「anone」が注目を浴びたのは、演出・水田伸生、脚本・坂元裕二というコンビだからである。話題作「Mother」、「Woman」を手掛けた2人だ。

 コラムニストの林操氏も絶賛するのだ。

「私も毎週『anone』を楽しみにしています。部屋の明かりを暗くして集中して観る。交わされるセリフは素晴らしいし、芸達者な役者ばかり。薄暗いトーンの画面はまるで映画のよう。そう、単館ロードショーにかかっている芸術映画のようです」

 とはいえ、テレビドラマは視聴率で評価される。初回の視聴率は9・2%と、そこそこだったものの、回を追うごとに下がり続け、2月28日の第7話は4・9%にまで落ちてしまったのだ。普通ならテコ入れか打ち切りが検討されるレベルだ。映画「チア☆ダン」、「ちはやふる」で注目され、昨年のCM女王だった広瀬が主役なのに、どうしたことなのか。

 その理由を説明するのは制作プロダクションの関係者だ。

「そもそも坂元作品は社会派のテーマを扱うので数字を取りにくいというのがあります。加えて、最近流行りの一話完結じゃない。人間関係も複雑なので、続けて観ていないとストーリーが分からなくなる。いわば過酷な集中力を要求するドラマ。何より広瀬がヒロインのはずなのに、得意の笑顔がなかったり、あまり出てこない回があるなど、サービスが足りないんです」

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