旗振り役解任の“クールじゃない”ジャパン 今後は音楽で海外へ?

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“クールジャパン”が岐路に立たされている。

 日本文化を海外に売り込むことを目的に、2013年に経産省主導で設立した官民ファンド「クールジャパン機構」の社長・太田伸之氏(64)が、任期途中で退任することになったのだ。事実上の解任である。

 経産省担当記者が言う。

「この機構はこれまで、伝統工芸品や食べ物、さらにはマンガやアニメまで、日本文化を海外に展開する事業に対して、投資を行ってきました」

 ところが、である。

「関連する業界が多岐にわたり過ぎているせいか、ファンド自体の目的が漠然とし、企業や団体が手を挙げにくく、投資が伸び悩み、運用実績が思うように上がらなかったのです」

 そこで今回、交代となったという次第。

 新しくトップに就くのは、ソニー・ミュージックエンタテインメント(SME)顧問の北川直樹氏(64)。

 先の記者が続ける。

「前任の太田さんは百貨店大手の松屋出身で、物販については専門性があったものの、音楽などのコンテンツについては疎かった」

 一方、

「新任の北川さんは音楽業界のスペシャリストですから、今後はそちらへの投資に力を入れていくようです」

 この動きに懐疑的なのは、さる音楽業界関係者。

「今や世界中のエンタメ業界を席巻しているのは、韓国のK―POPです。これはとりもなおさず、韓国政府が10年ほど前から、“国家事業”としてアーティストの海外進出を後押ししてきた結果なのです」

 日本はというと、

「所属事務所の権限が強く、ネットを使ったコンテンツの世界無料配信などが進まず、海外進出で成功しているアーティストはごくわずか。この分野で巻き返しを図っても、韓国の二番煎じに過ぎないし、よほど革新的なアイデアでもない限り、勝つのは難しいのでは」(同)

 クールな視線が向けられているのだ。

週刊新潮 2018年3月15日号掲載

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