トランプに“鳥顔女”と貶されても… 輝く「M・ストリープ」女優賞14敗

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 第90回アカデミー賞の授賞式が5日、アメリカ、ロサンゼルスのドルビー・シアターで開催された。

「チャーチル」で主演男優賞を受けたゲイリー・オールドマンを本物そっくりに仕立て上げた辻一弘さんが、メイクアップ&ヘアスタイリング賞を見事射止めている。慶賀に堪えない。

 なんでも今年のオスカーのテーマは“女性”なんだとか。自然と主演女優賞に注目が行くが、前評判では地味だった「スリー・ビルボード」のフランシス・マクドーマンド(60)が2度目のオスカーを獲得、発表を聞いた誰もが一瞬「フランシス、フー?」である。

 オスカー好きの作家・山口文憲さんが言う。

「堂々たる名優という点では、同じく候補に挙がっていたメリル・ストリープ(68)と双璧。ただ決定的に異なるのは華の無いところ。前回オスカーを受賞したときの作品『ファーゴ』(1996年)を思い出しました」

「ファーゴ」では、ノースダコタ州の雪深い田舎町で妊娠してお腹の大きな警察署長役を地味に演じていた。淡々と一人事件を解決する姿が印象的だった。

「一方のメリル・ストリープは、胸元と背中の大きく開いた真っ赤なドレス。やはりお美しい」(同)

 だが、多くの女優と交流のあったトルーマン・カポーティは、対談の中で“ニワトリ顔で嫌いだ”と放言、最近では彼女に批判されたトランプ大統領が“女優として大したことのない鳥顔女”と貶している。

「鳥顔だろうが美人は美人。あの泰然自若ぶりは凄い。女優賞受賞は2回、逸したのは14回目ですが“残念”なんて思っていない。オスカー常連の余裕です」(同)

 大物女優の妙諦は“われ満ち足れり”の境地にありと見つけたり。

週刊新潮 2018年3月15日号掲載

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