“まるで恋人同士”だった伊調馨と田南部コーチ 告発の裏に権力闘争

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訴えるのは日体大OBばかり

 伊調の従兄弟が仕掛け人となったパワハラ告発の裏に、至学館vs.日体大という権力闘争が潜んでいるのが透けて見える。

 日本レスリング協会の幹部が打ち明ける。

「栄さんが強化本部長に就く転機となったのが、15年にラスベガスで行われた世界選手権でした。このとき、男子代表は惨敗し、リオ五輪出場が危ぶまれる事態に陥った。そこで、再建者として白羽の矢が立ったのが、女子代表を五輪の常勝軍団に育て上げた栄さんでした。女子代表だけでなく、より一層男子代表の面倒も見ることになったのです」

 その結果、リオ五輪では見事、男子は2つの銀メダル、女子は金4つ、銀1つのメダルを獲得したわけだ。

「栄さんは成果を認められ、従来なら専務理事のポジションだった強化本部長に抜擢されたのです。ますます、男子代表も快進撃を見せるようになり、昨夏のパリ世界選手権では、フリースタイル、グレコローマンともに金メダルを獲得する快挙を成し遂げました。ですが、男子レスリング界で一大勢力を誇る日体大勢は面白くない。栄体制に揺さぶりをかけようと、次期強化本部長に日体大OBの佐藤満専修大レスリング部ヘッドコーチを推そうという動きを見せているのです」(同)

 実は、告発文に“C”なる匿名で登場するのは、佐藤ヘッドコーチだという。福田富昭会長や栄強化本部長らにより男子代表の強化委員長から閑職に追いやられるというパワハラを受けたと主張しているのだ。

「そして、告発文に圧力を受けた“A”と書かれているのが、その後、実名で取材に応じるようになった田南部さんです。同じく日体大OBで、佐藤ヘッドコーチが男子の強化委員長に就任したときに、田南部さんもフリースタイルのコーチを務めるようになりました。さらに、“B”は安達巧という日体大レスリング部の元監督。パワハラを訴えているのは、伊調のほかは日体大OBばかりなのです」(同)

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