“「 」のピンク映画”? 広告を塗り潰す大新聞の“表現の不自由”
男女逆転の「ローマの休日」
改めて映画の内容に触れておくと、主人公は1人の〈王〉。解説文などには、
〈モデルがない某国の象徴としての王は、長年神として崇められていたが、敗戦を機に霊長類宣言をし、打ちひしがれ生活苦にあえぐ国民と直にお話しする為に巡幸していた〉
とあり、昭和天皇をモデルにしているのは明白。〈王〉を演じているのは、荒木監督自身。〈巡幸〉中に出会うカストリ雑誌の記者、〈タカ〉役は、人気AV女優の水野朝陽である。
また、この映画は男女が逆転した「ローマの休日」でもあり、記者の〈タカ〉が、〈王〉にセックスシーンを見せたり体験させたりしながら物語が進んでいく。
例えば、娼館では〈皇后〉に似た娼婦と行為に及びつつこんな会話を交わす。
〈王「なるほど、そう言った戦法で敵を骨抜きにして、虜にするのだな」/娼婦皇后「私どもに戦後は御座いません」/王「国体を守る、あなたは正に女神だな。中に出して構わなかったのかな」/娼婦皇后「王、国の為に一人でも多くの跡継ぎの種を頂ければ、重大事項があった時の備えになります」/王「あ、そう」/娼婦皇后「王も仰ったではないですか。種有れば国体は滅ばず〉(脚本より)
「ローマの休日」の「真実の口」の名シーンは次のように“変貌”する。
〈タカ「あたしの真実のあそこの口を見て下さい」/王「おお!手を入れても宜しいか」/タカ「イソギンチャクなんで、抜けなくなっても知りませんよ」/王「構うものか」/入れる。悶え狂うタカ/王「確かに抜けない〜」/タカ「great emperor finger」/タカ、盛り上がる/タカ「ああああああああ、(スッポン)」/笑いあう2人〉(同)
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