産経新聞、橋下徹、長谷川豊……朝日「森友文書スクープ」に手の平返しの人々

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朝日に冷や水を浴びせようとしてきた産経

 例えば産経新聞の3月9日「森友文書深まる謎」の記事では、「財務省聴取の27人 決算後の書き換え否定」と大きく報じている。記事のポイントを列挙すると、

【1】自民党の和田政宗参院議員(43)は自身のブログで、朝日の「契約当時の文書」が、「予定価格の決定の決裁文書」と内容が酷似していると指摘。「朝日新聞さん、まさか文書を取り違えてはないとは思いますが…」と疑問を呈した。

【2】元大蔵官僚の高橋洋一嘉悦大教授(62)は「朝日が、異なった決裁文書を見比べて、書き換えられたと思い込んだのではないか。ただ、財務省本省の知らないところで近畿財務局が書き換えた可能性も残っている。朝日が根拠となる文書を表に出して確認すべきではないか」と話した。

【3】朝日は「契約当時の文書」を「確認」したと報じたが、8日もその「文書」を公表しなかった。

 産経が朝日の誤報を印象づけようとしていたのは間違いない。しかし、財務省が書き換えを認めることが明らかとなり、産経新聞は3月11日の1面トップで「財務省、森友文書の書き換え認める方針 あす国会報告」と報じざるを得なくなる。

 それでも1面の見出しには「麻生太郎氏、辞任せず」という文言を加え、更に2面でも必死に踏ん張った。見出しはこんな具合だ。

「文書書き換え 『改竄ではなく訂正』 自民幹部『問題なし』冷静」
「大阪地検、刑事罰か慎重に見極め 幹部『事件より政局の印象』」

 どう考えても、朝日スクープを素直に認めたくなかった気配が伝わってくる。記事にも「与党幹部は『少なくとも近畿財務局内部の話とみられ、麻生太郎副総理兼財務相の進退問題には発展しない』と説明する」との記述がある。

 こうした産経新聞の報道は、もちろん誤報ではない。“ミスリード”という指摘でも賛否が分かれるだろう。しかしながら少なくとも安倍政権を守ろうと“忖度”し、「無理な報道を繰り返してきた」と言われても仕方あるまい。

 こうした流れを産経新聞は、3月12日の自社スクープ記事で正した、というわけだ。ただ正直なところ、これまでの同紙の記事を丁寧に読んできた人であればあるほど、何となく「手の平返し」という単語が浮かんだのではないだろうか。

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