ふるさと納税に「お墓」返礼 小諸市で始まる

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 未だその人気は収まる気配のない「ふるさと納税」。2016年度の寄付総額は2800億円にも上る。返礼品といえば人気上位にくるのは各地のブランド牛肉やブランド米、そして季節の果物など。昨年、総務省が高額な返礼品の自粛を求めたが、過熱ぶりは続く。

 変り種も増える中、一際風変りなものが現れた。2月20日に公表された長野県小諸市の返礼は、市営墓地での永代埋葬権だ。標高1000メートルに位置する眺望抜群の「高峯聖地公園」での合葬墓に、寄付金24万円で生前申し込みができる。

 担当の小諸市役所企画課・栗原良氏に話を聞くと、

「小諸市ならではのもので、何か意表をつくような返礼品はないかと、市の職員から広くアイデアを募集したんです。その中から出てきた企画。全国初の試みでしょう。募集から日は浅いですが、初日に3件、1週間後の27日時点で計6件の問い合わせが来ていますよ」

 寄付のお値段はちょっと高めだが、一度払い込めば、後に共益費などが発生することは一切なし。施設の維持管理は市が責任をもって行う。合葬墓なので、継承者に悩まされることもなく、遺族を煩わす負担もない。

「24万円という数字には、根拠があります。実はこの墓地、すでに市内はもちろん、市外の方にも分譲しているもの。市外の方には7万円で提供しています。その7万円の数字を基に、総務省からのお達し“返礼品は寄付総額の3割以下”に収まるよう設定しました。それなりの収入があり、所得税・住民税控除を受ける人にとっては充分お得なはず」(同)

 ちょうど総務省は今年から「ふるさと納税」などでその地域に関心を持った人に、自治体に訪れ交流を促し移住を考えてもらう事業を2億5000万円の予算をかけて展開する。深刻さを増すばかりの大都市圏での墓地不足。いっそ老後も含め、あくせくした都会を離れて自然溢れる地に移住するのも悪くないかも。

「少しでも小諸に興味を持ってもらえれば、我々はそれだけで大成功です」(同)

 信州そばもびっくり!

週刊新潮 2018年3月8日号掲載

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