赤旗が暴いた役員報酬43億円! 「清水建設」下請け除染会社
福島第一原発の事故から7年経つ今でも、故郷に戻れず心身ともに苦難を強いられている人々は少なくない。その一方で、“被災地”福島県内には我が世の春を謳歌している企業があるという。
〈除染食い物 癒着で巨利〉。しんぶん赤旗(日曜版)に、こんなタイトルの記事が掲載されたのは2月18日のことだった。記事は、大手ゼネコンの清水建設が“独占受注”する福島県大熊町の除染事業で、一次下請けの企業がボロ儲けしているという内容だ。中堅ゼネコンの社員によれば、
「その下請け企業は、福島県いわき市内にある相双(そうそう)リテックです。東日本大震災後の2012年に設立され、除染事業を請け負っている。従業員数180人ほどの下請け企業ながら、設立3年で売り上げが100億円規模に拡大しています」
除染費用は福島県や県内の市町村だけでなく、国も負担している。所管庁は環境省。一般競争入札を経て業者を選定しているが、落札業者はほぼゼネコンで地元企業は“下請け”として除染作業に参加している。
除染作業は必要だ。当初、環境省は除染完了までの費用を約2兆5000億円と見込んでいた。しかし、一昨年の段階で3兆7600億円に上り、最終的には5兆円以上必要との試算さえある。
相双リテックは除染作業を担う多くの企業の1つに過ぎないが、経済誌の建設業界担当記者が指摘するには、
「あの会社の決算は、普通では考えられない内容なのです。売上高の半分以上が利益で、その75%以上に当たる43億円を7人の役員に報酬として支払っている。17年3月期決算で、トヨタ自動車の役員報酬が総額16億8400万円でしたから、それを大きく上回ります」
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