「大杉漣さん」の急逝から学ぶ「突然死」を防ぐ手立て 予兆がなくてもCT検査

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予兆がなくても「CT検査」

 人間ドックを受けていれば大丈夫、と信じている人も多いが、南淵教授は、

「みなさん、がんのほうが怖いので、一般的な人間ドックは特に胃がんが充実していますが、心臓の冠動脈の状態がわかる冠動脈CTは含まれていません」

 と警告し、こう言う。

「心筋梗塞の予兆は顕著ではありません。今晩、心筋梗塞が起こるかどうか、症状のあるなしは関係ないのです。症状があってもなくても冠動脈CTを撮らなければ、冠動脈や血管が細くなっているかどうか、まったくわからず、心電図で正常でも、その直後に心筋梗塞が起こる可能性は否定できないのです。検査は造影剤を必要とします。医師の保険適用になるはずですから、支払う金額は5000円から1万円程度です」

 心臓CTや冠動脈CTのほか、総合病院や心臓の専門病院では「心臓ドック」も受診でき、折目医師は、

「保険適用外ですが、10万円台からひと通りの検査を受けられます」

 と、受診を勧める。

「レントゲンや心電図などに加え、心臓ドックならではの検査項目がある。超音波では心臓の動きをリアルタイムで見て、弁の機能に異常がないか確認できます。心筋シンチグラフィは、タリウムなど放射性同位元素を注射で血液に入れ、どれだけ心臓に取り込まれたかを画像で見る。心筋梗塞や狭心症があると、血液が流れていない部分に元素が取り込まれず、そこが潰れて見えます。こうした検査を組み合わせ、あらゆる心臓疾患の可能性をあぶり出していくのです」

 そして、こう結ぶ。

「冠動脈CTなどは決定的な診断ができますが、検査としてはその後の段階になります。だから、その前に全体的なスクリーニングとして負荷が小さい心臓ドックを受ける意味があります」

週刊新潮 2018年3月8日号掲載

特集「異変から4時間で急逝した『大杉漣』はどうすれば助かったか」より

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