「大杉漣さん」の急逝から学ぶ「突然死」を防ぐ手立て 予兆がなくてもCT検査
「天海祐希」「阿藤快」の生死を分けた分岐点
心筋梗塞といえば、女優の天海祐希(50)も2013年、舞台終演後に「軽度の心筋梗塞」と診断されていた。
「心筋梗塞は緊張状態が切れたときになりやすい印象があります。マラソンやテニスをして、試合終了直後に倒れてしまう例を経験しています」
と南淵教授は言い、その点は天海も共通する。また、
「天海さんもかなりのヘビースモーカーでした」
と芸能関係者。では、なにが生死を分けたか。血栓が冠動脈の末梢部に詰まったなら、ほかの場所では血液が流れるが、中枢部で詰まると、そこから先に血液が流れず、より深刻な心筋梗塞になりうるという。
また大動脈解離だった場合だが、河村循環器病クリニックの河村剛史院長は「逆行性の大動脈解離だった可能性が高いと思う」とし、こう言う。
「最大のリスク因子は喫煙です。喫煙によって体中の毛細血管が収縮して詰まり、血液が凝固して微小血栓になる。当然、大動脈壁でも同じことが起きます。副流煙でも同じで、酒席が多ければリスクは高まります」
俳優の阿藤快は15年11月、血管が裂ける大動脈解離でなく、血管壁にできた瘤が破裂する大動脈瘤破裂により、69歳で亡くなったが、
「大杉さんと同じく、10年ほどはタバコをやめていたものの、その前はずっと吸っていたようです」(同)
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