政権の下方に深い亀裂が突然口を開けた
1920年にクリミア半島から白軍最後の部隊が撤退・亡命し、内戦が終結した。
しかし 、本当の問題は、ボリシェビキの内部にあった。マーティン・メイリアは、『ソビエトの悲劇』(白須英子訳、草思社、1997年)の中で言う。
内戦末期のボリシェビキ体制の最大の問題は、世界革命の失敗や辺境国再吸収の失敗ではなく、浮上しつつある内部危機だった。ソビエトロシアの砦の中で、党政権の下方に、深い亀裂が突然ぱっくりと口を開けた。農民と兵士と労働者が、同時に離脱し始めたのである。...