“捏造”中毒の厚労省、受動喫煙データでも 数値を80倍に盛る

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「でっち上げ」のデータ

 そのデータとは、2013年度の「労働時間等総合実態調査」で、これによると一般労働者の平均的な一日の労働時間が9時間37分であったのに対し、裁量労働制では9時間16分で約20分短いというものだった。

 ところが、裁量労働制では単に一日の労働時間を調査したのに、一般労働者には最長労働時間を尋ねていた等々、明らかに歪(いびつ)で無理のあるデータであることが発覚し、安倍総理は陳謝するに至ったのだ。なおその後、

〈裁量労働制の不適切データ/厚労省新たに117件〉(2月23日付産経新聞)

 さらに後日、233件発覚といった具合に、厚労省のデタラメさが次々と明らかになっている。要は同省は、裁量労働制は「いいこと」であるとの結論に誘導するために、データをイジったわけだ。だが厚労省は、意図的ではなく「ミス」だったと言い張っている。

 確かに、誰しもミスはする。しかし、一度ならず、二度三度と同じ過ちを犯すのは、意図的か、そうでなければバカかのどちらかと言わざるを得ない。

「厚労省の『データ操作』は裁量労働制以外でも行われています」

 こう指摘するのは、同省の事情に詳しい関係者だ。

「働き方改革とともに、厚労省は『受動喫煙対策法案(健康増進法改正案)』の成立に盲進していますが、明らかにおかしいデータを掲げているんです」

 目下、厚労省は2020年に向け、「スモークフリー五輪」なるものの実現に躍起となっている。元来、同省は「禁煙原理主義」として知られ、室内全面禁煙を実現しようとしてきた。

 とはいえ、喫煙者を排除してはやっていけないスナックなど、飲食業界等からの反発もあり、厚労省は「妥協」。客席の面積が100平方メートル以下の既存店では、例外的に喫煙を認める内容の法案を、間もなく提出する予定である。

 新規店に「例外」は適用されず、法案が成立すれば愛煙家がますます肩身の狭い思いを余儀なくされるのは必至だが、ここでは「愛煙家vs.嫌煙家」の議論は措(お)く。なぜならば、それ以前の問題として、受動喫煙対策法案の成立を目論む厚労省のデータに、大いなる「欺瞞」が含まれているからだ。

 先の関係者が続ける。

「現在、厚労省はホームページ上で〈受動喫煙対策〉コーナーを設けて『啓蒙』活動を行っています。そこでは、たばこの『害』を強調するために、空気中のニコチン濃度が紹介されているんですが、その数値があり得ないものなんです。『でっち上げ』と言っても過言ではない」

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