原発を再稼働させない新潟県知事が招く「巨大なリスク」 首都圏が大停電に…
イタリアは原発ゼロでも…
ここまで見てきた問題は、元はといえば原発の稼働が止まって生じたものだ。原発を稼働するリスクは、停電につながるリスクよりも大きいのか。
「原発をほとんど稼働させていない状況は、世界的に見ると異常です」
そう語る柏木氏には、反発するムキがあるに違いない。いわく「ドイツは原発の割合が低くなったじゃないか」「イタリアは原発ゼロじゃないか」と。しかし、
「ヨーロッパと日本は単純に比較できません。島国の日本と違い、ヨーロッパでは各国間で電力を融通し合っており、たとえば原発がないイタリアも、発電量の8割近くを原発に頼っているフランスから電力の融通を受けています。ですから、原発反対派がイタリアやドイツを例に挙げるのも、逆に推進派がフランスを引き合いに出すのも、どちらも間違っているのです」
ほかの国々の状況を、電力関係者に聞いた。
「韓国は、文大統領が“新古里で建設中の原発2基の建設を止める”と公約に掲げて当選しましたが、“これ以上、電気料金を上げないでほしい”と国民が反発し、建設は続いている。サムスンやヒュンダイが成長した要因の一つも、原発による安価な電力でしたから、産業界の反発も大きいのです。台湾も新政権が脱原発を掲げていますが、中国にエネルギーを依存したくないので、原発に頼らざるをえないと見られています」
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