初対面は全裸だった!! 高倉健さんの「素顔」 「せんだみつお」が語る昭和のスター列伝
せんだみつおが見上げた昭和のスター列伝――高倉健
“千に三つしか(せんみつ)本当のことを言わない芸人”せんだみつお(70)が、昭和の巨星(スター)たちの素顔を勝手に明かす。今回語るのは“日本の男”の姿をスクリーンに刻み続け、自身もまた、最後までそのイメージの中に生きた男、高倉健(享年83)。亡くなってから3年あまり、健さんがこの世にいないということに慣れない人も、まだまだ多いのではないだろうか。
と考えると、今回、健さんに関するトークをお伝えすることに、若干不安がないでもない。皆さんの心に刻まれたイメージを傷つけはしないだろうかと……。しかし。素顔は案外フランクで明るかったと語られることも多い健さん。その一端を垣間見たせんだの真実の証言として、心におさめていただければ幸いです。
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せんだ:「健さん」っていうドキュメンタリー映画がつくられたことは知ってるよね。実はこの映画に僕も出てるんだ。(※主に海外の映画人たちに健さんを語らせながら、新たな高倉健像を浮かびあがらせた2016年製作のドキュメンタリー映画)
――健さんと交流のあったマイケル・ダグラスやポール・シュレイダー監督などに混じってせんださんも? そこまで親しくされていたんですか!?
せんだ:声だけの出演だけどね(笑)。その「健さん」の中では、今から25年ぐらい前のことかな、ある方のご子息の結婚式に健さんがいらしたときの映像も流れるんだけど、その結婚式の司会をしていたのが僕なのよ。そこに健さんがすーっとやってきてね。「それでは、日本を代表する世界的な俳優。僕らの憧れの高倉健さん、ご挨拶をどうぞ!」って司会の僕が前説したの。その声だけがね、これから挨拶しようとしている健さんの映像にかぶって流れるという……。
――声だけでも立派なもんですよ。高倉健さんと同じ画面におさまっているわけですから!
せんだ:健さんの挨拶が終わって会場が歓談で和む中、僕の背後で「せんださん」って声がしたんだ。振り向くと、なんとそこには健さんが! 手にお盆を持ってんだ。で、そこには水の入ったコップが乗っててね、健さん、それを差し出しながらひと言、「ノドが渇いたでしょう。どうぞ」って! これはカメラが撮っていたわけじゃないから、もちろん映画の中にも出てこないんだけどさ。
――他の人が飲み食い中に……。銀幕の大スターにしてなんという気配りの人!
せんだ:健さんって誰に対してもスターぶることがないんだよね。撮影現場では特別扱いを嫌って、椅子が用意されても絶対に座らなかったっていうのは有名だけど、そのうえ細かな気遣いもできるという。しかもその気遣いも、これみよがしじゃないところがまたね。「網走番外地」の極寒ロケで、寒そうにしていたエキストラのおじいさんにコートを掛けてあげた話とかさ。いいよね! 少なくともその行動の裏に戦略的なものはまったくないと思う。それは実際に親切にしてもらった僕が言うんだから間違いない!
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