「将棋」と「囲碁」子どもにやらせるならどっち? 藤井六段、井山七冠のスタートは“5歳から”
美的感覚を研ぎ澄ます「芸術家脳」
子どもが夢中になるのは将棋か囲碁か。オトナが差し伸べる「一手」によって大きく違いが出そうだが、
「どちらを子どもに習わせるかは、その子の特性に合わせ親が見極めるべきです。欠点を補うために無理強いするのではなく、その子の良い所を伸ばそうと考えることが重要で、チャンスを与えてあげるのが親の役目ですね」
とは、神経内科が専門の医学博士で米山医院院長の米山公啓氏である。
「将棋の駒には漢字が書かれていますが、それを理解するのは脳の前頭葉。また、将棋は王を取るため理詰めで手順を考える。つまり論理的思考を司る脳の部位や働きをより活性化するので、そうした能力を伸ばすには将棋と言えるでしょうか」
一方、囲碁については、
「将棋より広い盤面で自由に打ち合うので、新たな発想を見出す喜びを味わえる。芸術などの創造力を喚起する脳の機能が、大いに刺激されることになるでしょう」(同)
最初から駒が並べてあって動かし方も決まっている将棋と比べ、囲碁は何もない盤面に石を置ける。
「美的感覚が鋭い人は、囲碁のセンスもありますよ」
と言うのは、AKB48の元メンバーで日本棋院の囲碁大使として活動する戸島花さん(29)だ。
「囲碁はここに石を置いたら大きく陣地を作れそうといったイメージで打つ。碁盤をカンバスに見立てて“ここに絵の具が足りない”と考えるんです。そのくらいの気持ちで打った手が、意外に間違いじゃなかったりするから面白い。私は中学生から始めましたが、昔から美術が得意科目でした」
美的感覚が研ぎ澄まされる「芸術家脳」が、子どもに備わるというワケなのだ。
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