白石麻衣、石原さとみ、石田ゆり子… なぜ? ネット時代の「写真集」ヒット

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レコード人気に似ている?

『この本は一〇〇万部売れる』の著書があり、ベストセラー事情に明るいエッセイストの井狩春男氏は、「いずれの写真集も“被写体”に人気があることは前提のうえで……」と、こう分析する。

「値段は高く、しかも重くてかさばる写真集が売れるのは、レコード人気の再燃と似ています。音楽だって、聴くだけならデジタルデータでだっていいわけですが、レコードの音には耳ではなく肌で感じられるよさがある。モノとして所有する楽しみもあり、つまり五感に訴える、といってもいいかもしれません。そして写真集にも、“ページに触れて、めくる”ことの価値を見いだしている部分はあるのでは。石田ゆり子を買う層は、それが“改めて”感じる良さでしょうし、白石麻衣を買う若い読者は、“初めて”なのでしょう」

 加えてカメラのあるスマホを持つことが当たり前になり、写真そのものが身近になった影響も井狩氏は指摘する。

「写真を撮るのが一般的になった現代だからこそ、それだけ『プロ』のスゴさがわかるようになった。ある意味で写真の頂点が写真集であるわけですからね。また現代性でいえば、『売れている』というニュースがインターネットで広まりやすくもなっている。行列を作りたがる心理でまた売れる、という側面もあるはず」

 ちなみに“ヘアヌード評論家”の顔も持つ井狩氏、91年の発売から現在に至るまで“芸能人写真集の売上No.1”の座を守り続ける宮沢りえ(44)の『Santa Fe』(155万部超!)にももちろん詳しく、

「新聞に1ページ広告、定価は4500円、とスケールは今とケタ違い。その後10年間でヘアヌード写真集は1000冊出版されたといい、ブームになりました。ある大型書店は、『ウチで独占販売したい』と大金を積んで打診するも、出版元の朝日出版社は断ったとか……」

 あの頃は恥を忍んで書店の列に並んだものだが、その点、今の時代はネット通販で気軽に買える。案外そんな事情も、写真集が売れている理由なのかも。

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週刊新潮WEB取材班

2018年3月2日掲載

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