いじめによる自殺は「殺人」か? 社会の闇に切り込む「アンナチュラル」第7話

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いじめられる者同士のせつない「計画」

 ミコトによる遠隔検死の結果、遺体は、横山伸也(神尾楓珠)という少年であることが判明した。白井と同じクラスの生徒で、教員たちによれば「目立つグループ」、いわゆる派手で不良っぽいグループに所属していたとのこと。一見するといじめの加害者でありそうな横山であったが、ミコトは彼の身体にあった痣を見逃さなかった。秋彦が予備校で担当している生徒に話を聞いたところ、横山が同じグループの生徒から暴力を振るわれていた事実が明らかになる。

 いじめは、長らく日本の中学高校に巣くう問題である。生徒が自殺に至るのは最悪のケースで、不登校や退学、転校まで含めたらどれほどの件数になるのか想像もつかない。しかも、いじめによって自殺を引き起こした生徒、あるいは日常的に暴行をおこなっていた生徒は少年法に守られて裁かれることがほとんどない。教員たちも責任を取ろうとはしない。その社会の闇に、今回は真っ向から切り込んだものとなった。

 白井と横山は、いじめの中心人物である生徒たちを殺人犯として陥れるために「他殺に見えるような死に方」を考案し、実行したのだった。孤独を慰め合うように計画を練る2人の回想シーンは、いじめられている者同士の絆が悲しかった。「殺人者S」の目的が、本当のいじめグループのメンバーをライブ配信で伝え、自分も自殺するということにあることに気づいたミコトは、電話越しに、白井たちを追いつめた学校、クラスメイトたちへの怒りややるせなさを秘め、まっすぐに語る。「名指しで遺書を残しても、彼らは転校して、名前を変えて、生きてゆくの」と。ミコトには、白井が弟の秋彦が受け持っている予備校生だからという責任感もあっただろう。しかしこの時の石原さとみは、涙を流して悲痛な叫びとして言葉を届けるのではない、抑制ゆえに溢れ出す感情表現が極めて印象的だった。

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